巨人堀内監督が報道関係者を集めてこう言ったそうだ。「清原を番長と呼ぶのはやめてくれ」。
野球デスクは「うちは昔から番長という表記はしていませんから、べつに問題はありませんけどね」と涼しい顔だったが、それにしても、ずいぶん不粋なお願いがあったものだ。
「番長」が嫌なら本人が言ってくるだろう、子供じゃあるまいし。それより4番打者がごろごろいる打線の心配でもすりゃいいじゃないか。それが巨人の監督だろう。
まぁ、嫌味はそれくらいにして考えてみた。
清原は西武時代、「お祭り男」と言われたものだ。いつから「番長」になったのかしらん。
ためしにプロ野球のニックネーム列伝でも列挙してみようか。
番長より恐ろしいのが「親分」鶴岡一人。「ケンカ四郎」の武上四郎もなかなかだ。「パンチ」で名前を売ったのが佐藤和広。「鉄腕」も強かろう、稲尾和久。危ないのは「ガソリンタンク」米田哲也、「ダンプ」もあった、辻佳紀だ。
色でゆくなら「赤バット」の川上哲治(打撃の神様とも言いましたね)、「青バット」は大下弘。「物干し棹」なら藤村冨美男。「今牛若丸」が吉田義男なら「怪童」は中西太、尾崎行雄。「昭和の怪物」江川卓もいたっけ。「剣豪」榎本喜八に「円月殺法」とくれば杉山光平。ほとんど時代劇だね、こりゃ。
動物もいる。「じゃじゃ馬」といえば青田昇、「フラミンゴ」王貞治。「ウルフ」は高橋由伸、「ゴジラ」はご存じの通り。「ギャオス」内藤尚行、「ライオン丸」がシピンだった。
打法、投法なら「天秤」「マサカリ」を担いだのが近藤和彦、村田兆治。「スプレー」の張本勲、「振り子」イチロー。「神主」が岩本義行なら「仏の徳さん」こと飯田徳治。「ホトケの吾郎ちゃん」遠井吾郎もいた。
おっと、忘れちゃいけねぇ、「ミスター」は長嶋茂雄。
まだまだいくらでもあるけれど、昔のニックネームには味があったねぇ。それに比べて最近はイカすニックネームがなくなった。選手が小粒になったのだろうか。
ちなみに冒頭の堀内監督は「悪太郎」。名付け親(と言われている)は小社の大先輩記者、Y・S氏。
この人の社内のあだ名は深海魚? 「アンコウさん」だった。
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